白衣の医師

ワキガの治し方としては、手術によるものが最も効果が高いとされており、効果にも永続性があります。
ただ、ワキの下に傷跡が残ってしまうなどの理由で、手術を受けることに難色を示す人もいるでしょう。

医療機関で行われているワキガの治療には、手術以外のものもあります。
そうした治療法が選択される理由と、方法について説明していきましょう。

なぜワキガの治し方で手術以外の選択肢が用意されているのか?

ワキガの治療法として最も効果的なのが手術だと分かっているのに、なぜそれ以外の方法を選択するケースがあるのでしょうか。理由としては2つが考えられます。

1.そもそもワキガの症状が軽い

ワキガといっても、症状には個人差があります。明らかに手術をした方がいいレベルの重度の人もいれば、ワキガとはいっても症状が軽い人もいます。
上にも書きましたように、手術はワキの下にメスを入れるものですから、どうしても体に負担がかかってしまいます。健康保険が適用される剪除法の場合はダウンタイムがありますし、3~4センチの傷跡が残ってしまいます。

ワキガの中でも症状が軽い場合は剪除法が保険適用にならないケースもあるため、費用対効果や体への負担を考えて手術を選択しないケースもあるのです。

2.アポクリン腺が未発達な子供

ワキガの鍵を握っているアポクリン腺は、思春期になってから成長を始めます。これはアポクリン腺の汗がもともと性フェロモンのような働きをしていたことの名残で、第二次性徴と並行するような形でアポクリン腺が成長し、ワキガの症状が出始めるのです。
ワキガの手術はアポクリン腺を除去するものですが、アポクリン腺の成長が不十分な時期に手術をすると、剪除法でも成長していないものが除去できません。このため、手術後にこのアポクリン腺が成長し、ワキガが再発してしまう可能性があるのです。

症状の重さにかかわらず、子供にはワキガの手術を行わないという医療機関もあります。当面は別の方法で臭いを抑え、手術ができる年齢になってから行うというわけです。

手術以外の治し方にはこのようなものがある

カルテを持つ医師

では、手術以外の治し方としてはどのようなものがあるのでしょうか。実際に医療機関で行われているものを簡単にまとめてみました。

1.塩化アルミニウム水溶液の塗布

塩化アルミニウムをワキの下に塗布すると、汗腺に浸透して結晶化し、出口に蓋をします。こうなると汗が分泌されても外に出てきません。ワキガの臭いの原因はアポクリン腺の汗に含まれる脂質を栄養分にして成長する細菌の分泌物ですが、汗を止めれば栄養分がなくなり、細菌が繁殖できなくなるというのが狙いです。保険が適用されるため、コストがかからないのがメリットです。
問題は効果に永続性がないことと、塩化アルミニウムが汗の成分と反応して塩酸を生成し、肌荒れの原因になってしまうことです。また、汗腺内に汗がたまって「汗疱」という水ぶくれになってしまう可能性もあります。

2.プロバンサインの処方

プロバンサインとは、アセチルコリンという神経伝達物質の働きを抑える内服薬です。汗の分泌にはアセチルコリンが関係しているため、この働きを抑えることで汗の分泌そのものを抑えるのです。ワキガよりも多汗症の治療として選択されることが多いようです。
問題点は、アセチルコリンは唾液や涙の分泌にもかかわっているため、口の中や目が乾いてしまう可能性があることです。排尿障害や便秘などの副作用もあります。また、汗の分泌量そのものを抑えるため体温調節機能が落ち、熱中症のリスクが高まるのも問題点といっていいでしょう。

3.ボトックス注射

ボトックスとは食中毒の原因であるボツリヌス菌由来の薬で、プロバンサインと同様にアセチルコリンの働きを抑える効果があります。このボトックスをワキの下に注射することで汗の分泌を抑え、ワキガの症状を抑えるというものです。一度注射すれば数カ月の効果がありますし、プロバンサインと違ってピンポイントに効きますので、熱中症のリスク上昇などの副作用もありません。保健がききますので、医療費もそれほど高くなりません。
問題点は、やはり効果に永続性がないため、数カ月に1回は注射をしてもらう必要があることです。

4.レーザーやマイクロウエーブの照射

レーザーデオドラント、ミラドライ、ウルセラドライ、ホットビューなどいろいろな名前がありますが、いずれもレーザーやマイクロウエーブなどを照射することによってアポクリン腺を焼き、機能を喪失させてしまうものです。

治療効果に永続性があるうえ、体への負担が手術ほどではないというのがメリットです。
デメリットは保険の対象外であるため、医療費の負担が大きくなってしまうことです。
また、効果の方も手術ほどではないため、重症患者だと思ったほど症状が緩和されない可能性があることもデメリットといっていいでしょう。

ワキガ治療の選択肢は手術だけではありませんし、症状によっては上記のような治し方で症状を抑えれば十分なケースもあります。
ただ、重度のワキガの場合は手術が第一選択になる可能性が高いですので、手術をしないですむかどうか医療機関と相談してみてください。

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